南北朝時代
- 南北朝時代は、日本の歴史上、14世紀中頃から15世紀初頭にかけての約60年間(1336年~1392年)を指し、日本において二つの皇統が並立した時期です。この時代は、後醍醐天皇が始めた建武の新政が失敗に終わり、その後の混乱を受けて始まりました。
背景
- 建武の新政は、鎌倉幕府を倒し、天皇中心の政治を復活させることを目指した運動でしたが、短期間で失敗に終わります。その後、足利尊氏が新たに幕府を開いて室町幕府を樹立しますが、これに反発する勢力が南朝を擁立し、日本は南朝(大覚寺統)と北朝(持明院統)に分かれて対立しました。
南北朝の並立
- 南朝
- 後醍醐天皇の直系を主張し、吉野(現在の奈良県)を拠点として、正統な皇統を維持しようとした。
- 北朝
- 足利尊氏が擁立し、京都に幕府を置いて政権を担い、幕府と連携した皇統。
この対立は、政治的な権力争いだけでなく、皇位継承を巡る正統性の問題も含んでおり、多くの武家や地方の豪族もこれに巻き込まれ、南北のどちらかについて戦いました。
終結
- 南北朝時代は、1392年に足利義満によって南北朝が和解し、持明院統(北朝)の皇統が正統とされることで終結します。これにより、長い内乱の時代が終わり、その後の室町時代の政治的基盤が固まることになります。
影響
- 南北朝時代は、日本の中世史において重要な転換期であり、この時代を通じて地方の武士団の力が増大し、戦国時代へと繋がる動きが始まります。また、文化面では、南北朝時代に活躍した歌人や文化人によって、多くの優れた文学作品や芸術作品が生み出されました。